もう少し優しい社会にならないものか

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最近のテレビを観ていて、なんとなく思い出したのは、昨年のマクドナルドの異物混入騒動です。お客様に提供した食品に異物が混入する事件が頻発しました。

もちろんこれは、あってはならないことです。もし僕に子供がいて、その子供が同じような状況に見舞われたら、マクドナルドに対して厳重な抗議を行うことでしょう。

当然テレビ局は、この事件を連日報道しました。ほとんどのニュース番組で、街頭インタビューを行い、「市民の声」を紹介していました。「市民の声」の全てが、「マクドナルドは許せない」、「子供のことが心配なので、もうマクドナルドには行かない」といった類のものでした。小さい子供を抱えたお母さんの映像が多かったように記憶しています。

本当にそうなのでしょうか?本当にこれが市民の全ての声なのでしょうか?

テレビ局が何人に街頭インタビューをしたかは知りません。でも、その中には、「いえ、わたしたちはこれからもマクドナルドに行きますよ、子供が好きですから」的な答えをした人も、数は少ないかもしれませんが、皆無ではないはずです。実質賃金が上がらない中、家族4人がファミレスへ行くのは、正直お財布が痛い。安く家族サービスのできるマクドナルドへ行き続けますよという人がいても、全くおかしくありません。

ところが、連日のように、「マクドナルド許せない」という報道を見せつけられると、「マクドナルド許します」とは、口が裂けても言えない雰囲気が日本全体を横溢します。「一億総マクドナルド許せない」です。これは本当に怖いことです。大袈裟かもしれませんが、マスコミが好戦気分をあおりにあおり、「戦争反対」とは口が裂けてもいえない状況に至った先の大戦の時代状況に近似しています。マスコミによる世論形成というのは、疑ってかかるくらいが丁度よいのです。

視点を変えてみましょう。日本マクドナルド社は、れっきとした上場会社です。上場会社を感情的にやり玉に挙げるということは、直接的であれ間接的であれ、国益を損ねる行為です。「マクドナルド許せない」と言いながら、日本人は自分で自分の首を絞めているのです。

このような状況に遭遇した場合、①マクドナルドが被害者に対し真摯な謝罪と金銭的賠償を行っているか、②適切な改善策を講じているか、③②の改善策が的確に運用されいるかの3点を、マスコミに依拠することなく、自分の目で冷静かつ客観的に評価するのが、知識・教養を兼ね備えた日本人の取るべき態度です(ただし、被害に遭われた方と、そのご家族は除きます。怒り心頭になって当然です)。

ところで、このブログ、ちょっとお固いかしら。少しやわらかめにするわ。

ここまで書くと、僕が熱狂的なマックファン(関西ではマクドファン)と思われたかもしれませんが、とーんでもございません。

コレステロール値、中性脂肪値、γGTP値、血糖値と、全てが異常値の僕が、高カロリー食品だらけのマック(マクド)へ行くのは、年に1度あるかないかです。それにそれに、僕は社会全体から嫌われる愛煙家です。全席禁煙になってしまったマック(マクド)へは、足が向きません。

やっぱりお固くする。

冒頭に「最近のテレビを観ていて」と書きました。

ある女性タレントの不倫騒動が話題に上らない日はありません。かつて彼女が、「志村動物園」という番組で、人間不信になった犬を人間好きに育て上げた事実をすっかり忘れてしまったかのように(そのとき彼女が流した涙をすっかり忘れてしまったかのように)、僕たち日本人は彼女を悪者に仕立て、楽しんでしまっています。

ある経営コンサルタントの経歴詐称が話題になりました。かつて彼が、論理的かつ有益なコメントを発してくれた事実をすっかり忘れてしまったかのように、そしてラジオでの涙を流しながらの謝罪には殆んど聞く耳を持たず、僕たち日本人は彼を揶揄し続け、楽しんでしまっています。

女性タレントであれ、経営コンサルタントであれ、被害を受けた当事者間で問題解決を目指せば良い。具体的な被害を被っていない僕たちが、口をはさむ必要はありません。

彼女と彼の改心、そして、これからの人生の幸をひそやかに願う。それが、ごくごく普通の感情を持った人間の態度ではないでしょうか。

もう少し優しい社会にならないものか。そう思っています。